【中川 淳司】 開発と市場移行のマネジメント —ラテンアメリカ、アジア、ロシア・東欧の経済制度改革の比較研究—
発言
この研究の方向について、政策研究ではもっと具体的な政策提言を行うような研究にするべきだという指摘だったが、私はその必要はないと思う。まず過去を研究し評価し比較することこそが必要である。その作業をしてはじめて、政策に対して意義ある指摘ができる。その作業に集中し限られた時間とエネルギーを費やすので、政策提言に結びついた研究をその中に含めることには疑問がある。しかしこの問題については今後議論していきたい。
方法論について、レンジェル氏は研究テーマを限定する必要がある、またミクロ経済的な見方も必要だと言われた。これはどちらも重要である。とくに研究主題を厳密に限定することは必要である。
またミクロ経済的な研究ももちろん重要である。ただこのプロジェクトに、またはプロジェクトのこの段階でそれを取り入れる必要があるのかどうか。
私はこの9月に、サセックス大学でグローバリゼーションをテーマにした小さなワークショップに参加した。それは"Spreading the Gains from Globalization"というタイトルで、マクロ経済レベルで、グローバリゼーションに対する反作用としての企業の行動に焦点を当てたものであった。それに参加して、この我々のプロジェクトでも同様にマクロ経済レベルで、政策、政府サイド、グローバリゼーションに対する政府の反作用、グローバリゼーションの時代を見ていく必要があると思った。サセックスのプロジェクトはマクロ経済的な方法でやっていくだろう。この方法が正しいかどうかもう少し考えてみたい。
ここで、私の同僚、末廣昭教授と法学部藤原教授のコメントをお願いしたい。二人ともこのプロジェクトのコアメンバーであり、末廣教授はアジア経済、特にタイが専門である。
<要約:土田とも子>
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