【河合 正弘】 開発と市場移行のマネジメント —ラテンアメリカ、アジア、ロシア・東欧の経済制度改革の比較研究—
発言
もう一つ付け加えたい。少なくともアジア諸国では全ての政府が交替した。経済改革のために国際的な財政援助や救済策が必要となり、IMFや世界銀行が乗り出して必要な条件を整えるよう強制した。いくつかの国の政府はこれに耐えられず崩壊した。新しい政府が成立し、同時にインスティテューションの形成が始まった。この政治的な環境は、この意味でトータルに外因的とはいえない。経済改革のプロセスの中で組織や制度の構築が行われている。多くの途上国では改革論者が政府の中で政治的な立場を強めることとなった。彼らは親米、親世銀で、外からの資金やリソースを導入できる人々であり、経済システムの現代化を実行する人々であったからである。彼らの政策とIMFと世界銀行とはいつも連関していた。
<要約:土田とも子>
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