【中川 淳司】 開発と市場移行のマネジメント —ラテンアメリカ、アジア、ロシア・東欧の経済制度改革の比較研究—
発言
このプロポーザルは政治学者と経済学者が一緒に研究する体制を取っている社研の構成を念頭においたためこのようになった。しかしこれから共同研究をやっていく中でもっと適切な、経済改革に対する共通の方法が析出できると幸いである。
フェラス教授が示唆された共通のタームや決定因や前提を取り込んでこの研究をアップデートし、河合氏が言われた、当該の国の制度や組織を取り巻く環境や全般的なインスティテューションズについても検討したいと思う。また、政策そのものや政策形成主体の分析や政策評価分析なども行わなければならない。
経済、政治、法律の経験を関連づけて見ようとするとき私はポリティカルという言葉を使うが、これではまだ中味が曖昧である。このプロジェクトは、河合氏の言われたように、インスティテューショナル・キャパシティの形成、政策形成や政策実行プロセスなども分析対象に含めるべきである。経済改革に成功したかしなかったかはおそらくこのインスティテューショナル・キャパシティの違いによるところが大きい。このプロジェクト研究の方法論はまだまだ検討して改良していかなければならない。また、河合氏が言われたように、この仮説は検証できるような客観的なものではない。第1の仮説はグローバリゼーションはすべての国民経済に影響を及ぼしたというものである。しかしどうやってこれを検証できるだろうか。これについても考えねばならない。
第2の仮説は、歴史的、政治的なもので、制度や組織を取り巻く環境は、各々が異なる経済改革のペースや項目でグローバリゼーションに適応するように決定されるという、これも漠然としたものであり、もっと明確なものにしなければならない。このワークショップ後にもたくさんのしなければならないことがある。
<要約:土田とも子>
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