HOME
地方がもっとも輝いた時代
日本史上でも稀有な「地方の時代」はなぜ実現したか。産業革命の原動力となった、地方からの企業勃興のメカニズムを鮮明に示すとともに、その後の都市の時代への転換の契機をも掴み出す。斬新な視点で近代日本の工業化過程を描き直して、今日の地方再生に向けた手がかりを探る。
はしがき序 章 地方からの産業革命 1 産業革命・再考 —— 問題の所在 2 経済主体と地域経済 —— 課題と方法 3 本書の内容 —— 対象と構成 第 I 部 産業革命のなかの地域経済 第1章 日本における産業革命の前提 —— 経営資源と工業化イデオロギー はじめに 1 産業革命の初期条件 2 工業化イデオロギーの論理構造 —— 富国論をめぐる中央・地方 小 括 第2章 企業勃興の地域構造 —— 分散と集中 はじめに 1 産業革命期の日本経済 2 第一次企業勃興の地域構造 3 企業勃興の展開 小 括 第 II 部 企業勃興の原動力 —— 「地方の時代」とその担い手 第3章 地方工業化の始動と地方官 —— 日本鉄道の東北延線と岩手県 はじめに 1 日本鉄道会社の路線延長と岩手県 2 岩手県における日本鉄道速成運動の展開 3 速成運動の結果意義 小 括 第4章 地方企業家と企業勃興 —— 福岡県三池地方の事例 はじめに 1 地方の企業勃興 2 地方企業家と企業勃興 —— 三池地方の事例 3 地方企業の展開( I ) —— 三池土木会社の経営展開 4 地方企業の展開( II ) —— 三池紡績と地方企業家 小 括 第5章 地方資産家の投資行動 —— 大阪府泉南郡廣海家の事例 はじめに 1 泉南郡の産業構造と地方資産家 2 明治前期廣海家の資産形成と投資行動 3 泉南郡における企業勃興の発生と廣海家 4 日清戦後期廣海家の収益基盤と投資行動 5 日露戦後期における廣海家の投資行動と地方企業 小 括 第6章 「地方財閥」の誕生 —— 福岡県筑豊地方安川・松本家の事例 はじめに 1 筑豊地方における炭鉱業の発達と安川・松本家 2 安川敬一郎の事業活動と資産形成 3 事業再編と内部資本市場 4 「地方財閥」への道 小 括 第 III 部 都市工業化の基盤形成 —— 「都市の時代」の幕開け 第7章 電力業の勃興と都市工業化 —— 東京市の事例 はじめに 1 電気事業の生成と東京電灯 2 長距離高圧送電と大容量水力発電所 3 電気供給システムの形成 4 工場電化の進展 小 括 第8章 電力供給システムの形成と都市周辺地域 —— 京浜地方の事例 はじめに 1 日露戦後の電気事業と京浜地方 2 横浜電気の成立と横浜市場 3 富士瓦斯紡績の電力供給システムと京浜地方 小 括 終 章 地域経済の活性化と構造変化 1 地域経済活性化のメカニズム —— 経済主体・ネットワーク・工業化イデオロギー 2 産業革命期における地域経済構造の変化 注 あとがき 文献一覧 図表一覧 索引
1966年 熊本県に生まれる1994年 九州大学大学院文学研究科博士課程単位取得 東京大学社会科学研究所助手、埼玉大学経済学部助教授、 東京大学社会科学研究所助教授などを経て、現在 東京大学社会科学研究所教授、博士(文学)
↑PAGE TOP