【平島 健司】 先進国における国家変容—日独比較の視点— →【討論】
1.はじめに
本報告では、80年代以降のドイツ連邦共和国について、政治的観点から意図的に企てられた国家変容と、欧州統合や国家統一という文脈の変化への対応による国家変容の過程と現状を概観した。80年代以前の時代に遡って、90年代における日本の変化を多角的に検討しようとするコアプロジェクトに対し、先進国間比較がどのような点で寄与できるのか、を考えてみたかったからである。
報告の全体については、若干の加筆と修正を行い、注記を補ったディスカション・ペーパーを参照されたい(「先進国における国家変容—日独比較の視角—」Discussion Paper Series J-92, 2000年3月)。なお、当日の報告は、最後の項目<ドイツの国家変容と日本の国家変容>にほとんど触れることができなかった。以下では、ディスカション・ペーパーの該当部分を掲載しておく。プロジェクトにこれから参加する報告者にとっては、いずれにしても推察の域を出ないからである。
<平島健司>
|