【大瀧 雅之】 90年代の日本経済とマクロ経済学:市場と組織—相互補完的な秩序—
IV.これからの展望
冒頭でも述べたが、ケインズ経済学にある種無責任な無限定的な考えがある事は認めないといけない。従来の俗流ケインズ経済学では景気が悪くなると受容を増やせばよいという(「土建屋経済学的」な)考え方があるが、公共投資がアメニティを高めているのか、地方の所得や県民所得にどのような影響を与えているのかといったエフィシャンシーの問題を真っ向から考えてみたいと思う。それから日本の場合、公共の企業体が多いが、その行動はどうあるべきなのかといった問題や、他にも近代経済学では官民の関係、大蔵省や天下りの規律付けが分析されているが、そうした問題について、こちらのセクターでは考えてみたいと思う。
<記録:渋谷謙次郎>
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