【橘川 武郎】 1990年代の日本社会をめぐって
→
【討論】
V.おわりに——新しい全所的プロジェクトについての私案
特徴
同じ山城(1990年代の日本社会)をそれぞれの戦略で(ディプリンに忠実に)攻略する「下からの共同研究」にする。
期待されるメリット
第1回セミナーでの所長報告の、次期プロジェクトの期待されるポイントとして挙げられたもののうち、社研の個性ということで考えれば、以下(1)〜(3)のようになるだろうか。
(1)——
「構造転換」が問題化する中で、実態としては何が変化し何が変化しなかったかを実証的に明らかにする。こうしたことはまだなされていない。中村(圭)氏、佐藤氏の方法はこういうことが期待できる。
(2)——
〈先進〉軸・〈普遍〉軸が交叉した1980年代に展開された、日本型企業システムに関する一連の説明原理=会社主義、人本主義、メインバンク論等を歴史的に相対化する。
例えば比較経済制度分析が出してきたメッセージは、1980年代の説明原理とかなり重なるが、説明が間違っていたのか、理論そのものが間違っていたのか、それぞれのテーマについて立ち入って検討することが必要である。
(3)——
出来れば新しい説明原理を提示する(特定の原理をアプリオリに前提としない)。
構成
全体として、「アメリカ」プロジェクト、及び「世界的構造調整」プロジェクトの相対的自立と他の諸プロジェクトの緩やかな統合で、新しい共同研究を進めていきたい
<記録:土田とも子>
|