〈持ち場〉の希望学 釜石と震災、もう一つの記憶
東大社研、中村 尚史、玄田 有史 編
定価 2,800円(税別)
希望学釜石プロジェクトは2006年から釜石地域で総合的な地域調査を行い、釜石の人々との交流を続けてきた。2011年9月からはオーラル・ヒストリー(口述史)の手法を用いて釜石における「震災の記憶」を記録するプロジェクトをはじめた。本書はその記録を素材に、震災直後の被災地・釜石の人々の行動についてのエッセイを取りまとめたものだ。
本書のキーワードは、題名にもある<持ち場>である。震災直後の困難な状況の中、被災地の人々がそれぞれの持ち場を必死に全うしようとしてきた姿を数多く見聞きした。その持ち場意識こそが、震災直後の地域の崩壊をギリギリのところで食い止めてきたのだ。