セミナーの記録と日程

全所的プロジェクト研究

第21回プロジェクト・セミナー
韓国の企業ガバナンス

2000年7月18日 ◆於:社研大会議室  ◆司会:末廣 昭
報告:高龍秀(コ・ヨンス)甲南大学経済学部教授
コメンテーター:星野妙子(アジア経済研究所)、橘川武郎

以下は第21回プロジェクトセミナーの議論の概要である。

高龍秀】  韓国の企業ガバナンス  →コメント及び討論

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二月の末に『韓国の経済システム―国際資本移動の拡大と構造改革の進展―』(東洋経済新報社、2000年)という本をまとめることができた。この本で何を言いたかったのかといことを三点にまとめた。
第一の点は、韓国の通過危機の特徴である。その重要な特徴は、アジアで最大規模の外貨債務の返済に負われたというのは事実であるが、それだけでなく、
90年代に東南アジア・ロシア向け投融資、デリバティブ取引が拡大し、その資産価値が下落したということでもある。
第二点は、
90年代に韓国の経済システムが変化し(金融の自由化、産業政策の自由化により財閥は「第二金融圏」へ参入、直接金融が拡大、海外からの資本調達の拡大など直接的な資金調達ルートが拡大)、そのことが通貨危機をもたらした国内要因ではないかということである。
第三は、通貨危機後、どのような改革が進められているのか、企業ガバナンスはどうなるのかということである。金大中政権により、金融・財閥・労働市場・公共部門の改革が進展した。IMFも強く要請したこれらの急速な改革は「新自由主義政策」とも指摘され、アングロ・サクソン型経済への進化も論じられている。しかし、財閥を中心とした韓国企業システムは、アングロ・サクソン型システムと大きく異なり、急速にその方向に変化させるには弊害が多い。韓国は90年代に企業金融、企業の資金調達方法が変化し、そのことによって企業モニター、財閥に対する経営監視の構造が変化したのではないかと考えている。そこでは企業に対するガバナンスについては、大きく二つに分けて考えると韓国の問題を整理できるのではないか。

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【コメント及び討論】