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「現代日本企業」-企業体制(上)
『「現代日本企業」-企業体制(上)
内部構造と組織間関係』


-- 目 次 --
『現代日本企業』刊行にあたって
はしがき:現代日本企業の内部構造と組織間関係
序 章 現代日本の企業と企業体制:問題提起 

  ●工藤 章 
    はじめに 
   1 国際経済秩序の変容と日本経済 ………………………………………………… 1
      1 グローバル化・アメリカ化・地域化の重層的ダイナミクス  1
      2 日本経済:長期停滞基調  4
   2 焦点としての企業と企業体制 …………………………………………………… 6
      1 長期停滞基調の原因  6
      2 企業と企業体制  8
   3 企業と企業体制への接近 ………………………………………………………… 9
      1 3つの要請  9
      2 グローバル化・アメリカ化・地域化と企業体制  13
      3 第1巻および第2巻の構成  19                 
第㈵部 内部構造
  第1章 所有と経営:戦前期の日本企業

  ●中村尚史
    はじめに 
   1 日本企業の原形 …………………………………………………………………… 26
      1 明治期の大企業  26
      2 明治期大企業の統治構造:鉄道企業の事例  31
   2 現代日本企業に向けて …………………………………………………………… 38
      1 第1次世界大戦期の大企業  38
      2 1920年代の大企業  39
      3 1930年代の大企業  46
    おわりに  
  第2章 所有と経営:戦後 —三つ組の制度と日本の発展
  ●ウィリアム・ラゾニック(日高千景訳)
   1 三つ組の制度 ……………………………………………………………………… 55
      1 企業における戦略,組織,ファイナンス  55
      2 日本企業を支えた三つ組の制度  57
      3 三つ組の制度の相互作用と機能の変化  58
   2 安定的株式保有 …………………………………………………………………… 61
      1 安定的株式保有の成立  61
      2 バブル崩壊後の株式保有  63
   3 終身雇用 …………………………………………………………………………… 65
      1 組織的学習を促進する終身雇用  65
      2 正社員の比重  67
      3 大企業と下請の長期的関係  68
      4 長期不況下の雇用  70
   4 メインバンク融資 ………………………………………………………………… 73
      1 メインバンク融資の目的  73
      2 バブル期から今日までの銀行融資  74
   5 近年における三つ組の制度の傾向 ……………………………………………… 76
  第3章 金融システムと産業金融:戦後型システムの温存と功罪
  ●日高千景
     はじめに
   1 制度的手段としての金融システム ……………………………………………… 85
      1 戦後日本経済の課題と金融システムのデザイン  85
      2 産業金融の展開  87
   2 金融システムをめぐる議論とその帰結 ………………………………………… 88
      1 戦後型金融システムからの脱却をめざす動き  88
      2 産業ニーズとの齟齬  91
   3 温存された戦後型金融システム:その理由と功罪 …………………………… 94
      1 金融システムの改革を遅らせた一般的要因  94
      2 長期信用銀行のジレンマ  95
      3 競争規制の温存とその影響  97
    おわりに 
  第4章 ものづくりと人材活用:外部人材 —競争力基盤の維持のために
  ●佐藤博樹
    はじめに 
   1 企業の人材活用の変化と課題:増加する外部人材の活用 …………………… 105
      1 増加する非正社員  105
      2 非正社員増加の背景としての人材活用の変化  106
      3 ものづくりの人材活用と競争力基盤  108
   2 設計部門における外部人材の活用 …………………………………………… 110
      1 派遣社員の活用状況と活用理由  110
      2 派遣社員を活用する仕事の範囲  111
      3 即戦力か育成か  112
      4 派遣社員の活用上の問題点  113
      5 派遣企業の選択基準と活用上の工夫  114
      6 派遣社員の活用権限の所在  115
   3 生産部門における人材活用の現状と課題 …………………………………… 116
      1 ものづくりを支える請負社員  116
      2 請負社員の活用状況と活用理由  117
      3 活用する仕事の範囲  117
      4 活用上の問題点  118
      5 請負社員の定着率と活用に伴う問題点  118
   4 要約と課題 ………………………………………………………………………… 121
  第5章 ホワイトカラーの人事管理:成果主義 —揺らぐ評価とその行方
  ●中村圭介
    はじめに 
   1 仕事管理論 ……………………………………………………………………… 126
      1 組織論  126
      2 責任センターと財務的指標  128
      3 非財務的指標  130
      4 管理のサイクル  131
   2 仕事管理の実際 ………………………………………………………………… 132
      1 対象  132
      2 MDプラン  132
      3 予算  134
      4 月次計画  135
      5 日々の仕事の管理  137
      6 まとめ  139
   3 成果主義的報酬制度 …………………………………………………………… 139
      1 職能資格制度  139
      2 管理階層  139
      3 指導階層  142
      4 係員階層  143
      5 まとめ  144
   4 揺らぐ評価とその行方 ………………………………………………………… 144
  第6章 産業民主主義:日本の労使関係と企業再構築 —民主主義の理念と現実
  ●長谷川治清(石塚史樹訳)
    はじめに 
   1 日本資本主義の構造変化:過程と特徴 ………………………………………… 152
      1 日本資本主義の発展  152
      2 日本の労働市場の実態  153
   2 労働にかかわる理念的な問題とその現実 …………………………………… 156
      1 戦後日本の労使関係の特徴  156
      2 組合組織率と所得水準  157
      3 労働組合の対抗力の状況  158
   3 経営戦略としての企業再構築:内的必要性と外的強制 ……………………… 160
      1 立法による労働の柔軟化  160
      2 柔軟な労働市場創出のための法改正の内容  161
      3 企業再構築を支える法改正  164
   4 労働側の認識と対応 …………………………………………………………… 166
      1 雇用者の認識  166
      2 職場レベルでの労働側の対応  169
      3 三菱自動車の事例  169
      4 日立の事例  170
      5 住友生命保険の事例  171
    おわりに  
  第7章 企業の寿命:日本企業の短命化とそのインパクト
  ●清水 剛
   1 問題の所在 ……………………………………………………………………… 177
   2 1990年代における寿命の変化 ………………………………………………… 180
      1 生き残りと寿命の定式化  180
      2 大企業の寿命の分析  181
      3 開廃業率の変化  186
      4 結果の検討  189
   3 企業の短命化と「日本型企業システム」 ……………………………………… 193
      1 日本型企業システムの特徴  194
      2 長期的関係への期待低下とその解決策  195
   4 期待の低下がもたらすもの ……………………………………………………… 197
      1 組織均衡と時間  197
      2 企業の短命化と自己成就的予言  199
    おわりに  
  第8章 企業統治:経営者の自己規律を促した日本型企業システム 
  ●田中一弘
    はじめに  
   1 日本型企業ガバナンス:他律vs.自律 ………………………………………… 209
      1 他律型解釈の限界  209
      2 経営者による自己規律  211
      3 従業員と主要資金提供者の役割  213
   2 内省的自己規律のメカニズム ………………………………………………… 214
      1 内省による自己規律  214
      2 内省のための「鏡」としての他者  215
      3 「気になる他者」の条件  217
   3 「気になる」従業員集団 ………………………………………………………… 220
      1 視線の強さ  220
      2 視線の迫真性  222
      3 相手方の必須性  223
      4 相互作用の深さ  225
   4 「気になる」主要資金提供者集団 …………………………………………… 227
      1 視線の強さ  227
      2 視線の迫真性  228
      3 相手方の必須性  229
      4 相互作用の深さ  231
    おわりに             
第㈼部 組織間関係
  第9章 企業間関係:サプライヤー・システム 

  ●植田浩史
    はじめに 
   1 日本的サプライヤー・システムの展開 ………………………………………… 241
      1 下請問題と戦時下請工業政策  241
      2 戦後の生産復興と下請関係  243
      3 日本的サプライヤー・システムの形成  244
      4 石油危機後の日本的サプライヤー・システム  246
   2 国内生産の縮小とサプライヤー・システム …………………………………… 247
      1 日本的サプライヤー・システムを支えてきたもの  247
      2 日本的サプライヤー・システムの変化  249
      3 日本的サプライヤー・システムはこれからも有効なのか  250
   3 日本的サプライヤー・システムの今後の展開: 製品アーキテクチャ論によりながら …………… 252
      1 統合型生産システムと分散型生産システム  253
      2 分散型生産システムのインパクト  255
      3 中モジュラー・外インテグラル  256
      4 カイパー社の事例  257
      5 日本企業における中モジュラー・外インテグラルの可能性  259
    おわりに  
  第10章 企業間関係:多層的サプライヤー・システムの構造 
       —自動車産業における金属プレス部品の2次サプライヤーを中心に

  ●松島 茂
    はじめに 
   1 1次サプライヤー:フタバ産業と豊田鉄工 …………………………………… 266
      1 フタバ産業  267
      2 豊田鉄工  268
   2 2次サプライヤー:20社に対するアンケート調査 …………………………… 269
      1 企業規模と事業の範囲  269
      2 雇用  271
      3 創業  273
      4 取引先  274
      5 外注・仕入先  276
      6 アンケート調査の要約  278
   3 2次サプライヤー5社の訪問調査 …………………………………………… 279
      1 B社  279
      2 C社  283
      3 G社  285
      4 M社  287
      5 N社  290
      6 インタビュー調査の要約  292
    おわりに  
  第11章 企業間関係:サービス経済化の進展とフランチャイズ・システム 
  ●高岡美佳
    はじめに  
   1 サービス経済化の進展 ………………………………………………………… 298
   2 フランチャイズ・システムの拡大とその機能 ……………………………… 300
   3 フランチャイズ・システムと経済発展 ……………………………………… 302
      1 3つの考え方  302
      2 資源補完説  302
      3 インセンティブ説  304
      4 ビジネスモデル進化説  305
   4 フランチャイズ・システムのサービス業への浸透 ………………………… 311   
    おわりに:中小小売商業振興法のサービス業への拡張  312
  第12章 企業・政府間関係:グローバル化の中の銀行政策 —日独の比較
  ●平島健司
   1 問題の設定 ……………………………………………………………………… 316
      1 金融市場のグローバル化と経済システムへの影響  316
      2 金融セクターのガバナンスの変化  318
      3 銀行政策の前提条件の相違点  319
   2 ドイツの銀行セクター ………………………………………………………… 320
      1 3つのグループ間競争と連邦的組織構成  320
      2 証券市場の拡大  323
      3 競争政策が強いる業界再編  326
   3 日本の銀行セクター …………………………………………………………… 328
      1 強い国家規制  328
      2 金融規制の緩和と金融市場の拡大  330
      3 不良債権処理問題と銀行監督体制の転換  333
   4 日独の比較:グローバル・バンキングとリレーションシップ・バンキング…… 335  
索  引 ——————————————————————————————— 341